POPのパラレルワールド的ビジョン、記憶を記した「或る記憶」シリーズです。
昔から不思議な話を百個耳にすると
不思議なことが自分に起きると言われていますが
パラレルワールドの話を百個耳にしたらどうなるのだろう?
そういった好奇心から始めてみました。どうぞよろしくお願いします。
教室
学生時代困っていることがあった。
ある教室に、辿り着けないときがあるのだ。
何の変哲もない横長の教室で、購買部の横の階段を上がると行ける場所。
そこに、どうしても辿り着けない。
◇
いつも辿り着けないわけではない。
とある時間帯…だいたい、午後1時から2時ぐらい。
お昼を急いで食べて
余裕を持って教室に入るとセーフ。
しかし、ちょっとでも遅れると…
その教室は、壁になってしまうのだ
◇
本当の壁だったらまだいいのだが
入り口はどこにもなく
すべすべと続いた壁の向こうから
英語の授業が聞こえて来る。
きょうは英語で天気予報のヒアリングを行なっているみたいだ。
それはわかる。
わかるけど。
辿り着けない。
このままでは単位を落としてしまう。
ああ、どうしよう。
◇
どうしてこの教室はある一定の時間に壁になってしまうのか。
それは最後までわからなかった。
不思議だった。
英語の単位については
それがどうこうなるちょっと前に
学校自体をやめてしまったため
うやむやになってしまった。
あの壁の向こうでは
どんな授業が行われていたのだろう。
貴重な数回の授業は
居眠りしていてほとんど覚えていなかった
不思議であろうがあるまいが
きっと英語の単位は行方不明になっていたことだろう。
★POPよりひとこと
同じ学校に行っていたひとに「あそこ壁になるよね」と言ったけど、全然通じませんでした。
この校舎は、今でも存在しているようです。
皆様も、不思議な話があったらぜひ教えて下さいね!