或る記憶:教室

POPのパラレルワールド的ビジョン、記憶を記した「或る記憶」シリーズです。

昔から不思議な話を百個耳にすると

不思議なことが自分に起きると言われていますが

パラレルワールドの話を百個耳にしたらどうなるのだろう?

そういった好奇心から始めてみました。どうぞよろしくお願いします。


教室

学生時代困っていることがあった。

ある教室に、辿り着けないときがあるのだ。

何の変哲もない横長の教室で、購買部の横の階段を上がると行ける場所。

そこに、どうしても辿り着けない。

いつも辿り着けないわけではない。

とある時間帯…だいたい、午後1時から2時ぐらい。

お昼を急いで食べて

余裕を持って教室に入るとセーフ。

しかし、ちょっとでも遅れると…

その教室は、壁になってしまうのだ

本当の壁だったらまだいいのだが

入り口はどこにもなく

すべすべと続いた壁の向こうから

英語の授業が聞こえて来る。

きょうは英語で天気予報のヒアリングを行なっているみたいだ。

それはわかる。

わかるけど。

辿り着けない。

このままでは単位を落としてしまう。

ああ、どうしよう。

どうしてこの教室はある一定の時間に壁になってしまうのか。

それは最後までわからなかった。

不思議だった。

英語の単位については

それがどうこうなるちょっと前に

学校自体をやめてしまったため

うやむやになってしまった。

あの壁の向こうでは

どんな授業が行われていたのだろう。

貴重な数回の授業は

居眠りしていてほとんど覚えていなかった

不思議であろうがあるまいが

きっと英語の単位は行方不明になっていたことだろう。


POPよりひとこと

同じ学校に行っていたひとに「あそこ壁になるよね」と言ったけど、全然通じませんでした。

この校舎は、今でも存在しているようです。

皆様も、不思議な話があったらぜひ教えて下さいね!

あたらしい。

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